【提案事例】塗料の粘度調整により、十字穴の塗料目詰まりを解消

表面処理種類 | 黒色塗装 |
機能・目的 | 高耐食性 |
素材 | 鉄鋼材 |
業界 | 弱電 |
外観・検査 | 黒色 |
環境対応 | RoHS対応品 |
詳細説明
今回ご紹介する事例は、処理の事例ではなく、当社がお客様に提案を行い課題を解決した提案事例です。
元々お客様は、この亜鉛・アルミ系複合焼付塗装を施した製品に対し、意匠性(デザイン性)とさらなる耐食性向上を目的として、黒色の塗装処理を追加で行っていました。
しかし、製品の締め付け用の十字穴やリセス穴に起因して、黒色塗装を施す際に塗料がその穴に溜まってしまう「目詰まり」が発生してしておりました。この問題を解決したいとのことで、当社にご相談いただきました。
塗料の目詰まりは、塗料の粘度、製品の形状、塗装方法といった複数の要因が複雑に絡み合って発生します。特に、今回のような微細な穴を持つ製品の場合、単に塗料を吹き付けるだけでは、表面張力によって塗料が穴の内部に引き込まれ、溜まりやすくなります。そこで当社は、黒色塗装用塗料の「粘度」に着目した改善策をご提案いたしました。
具体的には、現状の塗料をベースに、粘度を数パターン変化させたテストピースを複数作成。お客様の製品形状と求められる品質基準を考慮しながら、どの粘度が最も目詰まりを抑制し、かつ均一で美しい塗膜を形成できるかを徹底的に検証しました。
粘度が低すぎれば目詰まりのリスクが高まり、逆に高すぎれば塗膜が厚くなりすぎて外観を損なう可能性があります。当社では、熟練の技術者が製品一つひとつの特性を見極めながら、粘度の異なる塗料で慎重に塗装テストを繰り返し、最適な条件を導き出しました。
検証の結果、目詰まりを発生させることなく、安定して高品質な塗装が可能な最適粘度を特定することに成功しました。この最適化された塗料と当社独自の塗装技術を適用することで、お客様の長年の課題であった十字穴・リセス穴の塗料目詰まりによる不良発生率を、劇的に改善することができました。
めっき処理から塗装処理まで、複合的な表面処理を一貫して手掛けてきた実績と、徹底した品質管理体制があるからこそ、今回のような微細な調整が求められる課題にも対応が可能です。製品の品質でお困りの際は、ぜひ一度当社にご相談ください。