高炭素鋼ネジ部材への三価黒色クロメート

表面処理種類 | 三価黒色クロメート |
機能・目的 | 外観要求 |
素材 | 高炭素鋼 |
業界 | 弱電 |
外観・検査 | 漆黒色 |
環境対応 | RoHS対応品 |
詳細説明
こちらは高炭素鋼ネジ部材への三価黒色クロメートを行った事例です。
高お客様から炭素鋼(ハイカーボン)を用いた部材への表面処理についてご相談をいただきました。高炭素鋼は、焼入れなどの熱処理によって硬度を高めている反面、水素脆性による破壊リスクが極めて高く、めっき処理には細心の注意を要する素材です。
お客様はこれまで、水素脆性のリスクが比較的低く、素材との密着性も良いとされる塩化亜鉛めっき浴での処理を選択されていました。しかし、その後の化成処理工程において、三価クロメート処理では均一で深みのある「黒色」の外観を得ることができず、困られていました。
さらに、図面上の指示により、「黒色塗装」の追加工も認められておらず、めっきと化成処理のみで外観品質と機能的要件を両立させるという、非常に困難な状況にありました。
そこで三価黒クロメートを提案いたしました。この処理は、一般的な耐食性重視のクロメートとは異なり、意匠性(見た目の美しさ)を最大限に引き出すことを目的に開発された特殊な化成処理です。塩化亜鉛めっき皮膜のような活性度の高い表面に対しても、均一な反応を促し、高級感のある漆黒調の外観を安定して実現します。
もちろん、RoHS指令などに完全対応した環境配慮型の三価クロム化成処理であり、耐食性においても要求性能を十分に満たすことができます。