亜鉛めっきと亜鉛ニッケル合金めっき(ジンロイ・ハイニッケル)の耐食性を徹底比較!
目次
【数値で見る】塩水噴霧試験(SST)の結果比較
表面処理の性能を測る最も一般的な指標が「塩水噴霧試験(SST)」です。亜鉛めっきと亜鉛ニッケル合金めっきでは、錆が発生するまでの時間に大きな開きがあります。
| 処理の種類 | 膜厚(目安) | 白錆発生時間 | 赤錆発生時間 |
| 亜鉛めっき -三価クロメート | 8μm | 72時間 | 200〜400時間 |
| 亜鉛ニッケル合金めっき -ジンロイ | 8μm | 240時間〜 | 2,000時間以上 |
| 亜鉛ニッケル合金めっき -ハイニッケル(高ニッケル) | 8μm | 400時間〜 | 3,000時間以上 |
| 亜鉛ニッケル合金めっき -ハイニッケル + ジオメット | 10μm〜 | 1,000時間〜 | 5,000時間以上 |
塩水噴霧試験の様子は下記動画を確認してください。
なぜ耐食性が向上するのか?2つの科学的根拠
例えば「亜鉛めっき」と「亜鉛ニッケル合金めっき」では上記の通り、耐食性が変化しています。なぜこれほどまでに性能が変わるのでしょうか。
① 腐食生成物の「緻密さ」によるバリア効果
通常の亜鉛めっきは、亜鉛自体が先に腐食することで鉄を守る「犠牲防食作用」を主としています。「犠牲防食作用」は、一言でいうと「めっき(亜鉛)が身代わりになって錆びることで、中の鉄を守る仕組み」です。
しかし、亜鉛が腐食してできる「亜鉛錆」は構造が粗く、腐食因子(水分や酸素)を内部へ通してしまいます。
一方、亜鉛ニッケル合金めっきは、腐食の過程で生成される物質が非常に緻密な構造をしており、これが強固なバリア層となります。この層がめっき深部への腐食進行を劇的に遅らせるのです。
② 合金化による「自己耐食性」の向上
ニッケルを一定比率(ハイニッケルでは12〜18%)で含有させることで、めっき層自体の化学的安定性が向上します。亜鉛の持つ「犠牲防食能力」を維持しつつ、めっき層が急激に消耗するのを防ぐという、攻守のバランスが取れた状態を作り出しています。
アルミ材への電食対策(異種金属接触腐食)への有効性
近年、自動車の軽量化や通信機器の放熱性向上のため、アルミ筐体に鋼製(鉄)のねじを使用するケースが増えています。ここで問題となるのが「電食(異種金属接触腐食)」です。

電位差による腐食のメカニズム
異なる金属が接触した状態で水分が付着すると、電位の低い金属(卑な金属)が身代わりとなって激しく腐食します。
鉄(ねじ)+アルミ(筐体): アルミの方が電位が低いため、アルミ筐体側がボロボロに腐食してしまいます。
亜鉛ニッケル合金めっきの優位性
亜鉛ニッケル合金めっきは、純粋な亜鉛めっきよりも電位が高く、「アルミの電位に近い」という特性を持っています。アルミ材と接触しても電位差が小さく、アルミ側の腐食を最小限に抑えることが可能です。これにより、製品全体の耐久性を高めることができます。
詳しくは下記記事で解説しておりますので、こちらをご覧ください。
