ジンロイ®とは?その特徴やKコート・ジオメットとの複合処理事例をご紹介!
「ジンロイ®」という言葉をご存知でしょうか?
ジンロイは、ねじやボルトなどの小さな部品に施されることの多い、優れた耐食性を持つめっき処理の一種です。
本記事では、ジンロイの特徴や、より高い性能を引き出す「めっき+コーティング」の複合表面処理について、事例を交えて分かりやすく解説します。
目次
ジンロイ(亜鉛ニッケル合金めっき)とは?
「ジンロイ」は、特定のニッケル含有率(7~12%)を持つ亜鉛ニッケル合金めっきを指す商標名です。
「中ニッケル亜鉛合金めっき」とも呼ばれ、表面処理業界では古くから存在する技術とされています。
【ジンロイめっきの流れ】ジンロイめっき工程の様子を動画で解説!
ジンロイの特徴
◇優れた耐熱性と耐食性
ニッケル合金の効果により、熱に強く、錆びにくいのが最大の特徴です。この性能から、高温になる自動車のエンジン回り部品の防錆処理として用いられます。
◇高い耐候性と硬度
屋外での使用にも強く、エアコンの室外機部品などに多数の採用実績があります。また、皮膜が硬いため傷が付きにくく、製品の美観と品質を長期間維持します。トップコートと組み合わせることで、ステンレスのような外観に仕上げることも可能です。
◇水素脆性が極めて低い
被膜がマイクロクラック構造であることと、ジンロイが酸性のめっき浴であることから、めっき処理後に素材が脆くなる「水素脆性」のリスクは低くなります。そのため高炭素鋼や強度や信頼性が求められる重要部品にも安心して使用出来ます。
【事例で見る】ジンロイの複合表面処理
ジンロイ(亜鉛ニッケル合金めっき)だけでも高い性能を発揮しますが、他の表面処理(コーティング)と組み合わせる「複合表面処理」によって、さらにその効果を高めることができます。ここでは、株式会社キョークロが実際に手掛けた「めっき+コーティング」の事例をご紹介します。
ジンロイ+ジオメット処理
自動車部品などに求められる、極めて高い耐食性を実現する組み合わせです。ジンロイめっきの上に、金属フレークが層状に積層したジオメット処理を施すことで、物理的な保護膜と犠牲防食作用の相乗効果が生まれ、長期間にわたり製品を錆から守ります。
【ジオメット処理で、ノンクロムを実現!】
ジオメット処理は水系の塗料でアルミや亜鉛の金属フレークが混合されており、有害クロムを含まないRoHS対応型の処理でありながら、従来のダクロダイズド処理と同等の高い防錆力をノンクロムで発揮します。
そのため、近年の環境規制の強化に伴い、多くの高耐食仕様がこのジンロイ+ジオメット処理へと切り替わっています。
ジンロイ+ジオメット処理の詳細はこちら
ジンロイ + Kコート処理
高い防錆力だけでは物足りない、そんな時に選ばれるのが「ジンロイ+Kコート処理」です。耐食性の高いジンロイめっきをベースに、Kコートで潤滑性やデザイン性といった付加価値を出し、防錆+αの機能を両立させます。
株式会社キョークロでは、この処理を難易度の高い素材へ適用した実績があります。
例えば、表面を硬化させる「窒化処理」が施されたステンレス製ドリルネジの事例です。窒化処理によって硬度は上がりますが、同時に耐食性は低下してしまいます。この「硬度を保ちつつ、低下した耐食性を補い、さらにステンレス調の美しい外観を与える」という非常に複雑な課題を、特殊な前処理を組み合わせたジンロイ+Kコート処理で解決しました。この難易度の高い処理を実現した事例の詳細は、下記よりご覧いただけます。
ステレンスドリルネジへのジンロイ+Kコート処理
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株式会社キョークロでは「全自動サイド走行片持キャリア型ジンロイめっきライン(蓋付バレル)」を導入しており、高品質なジンロイめっきの試作・量産が可能です。
この設備により、品質のばらつきを抑え、安定した供給を実現します。
小ロットのご依頼から、数万、数十万個単位の大ロット生産まで、お客様のニーズに柔軟に対応いたします。品質・コスト・納期でお悩みでしたら、ぜひ一度当社にご相談ください。
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