パシペート処理とは?錆から守るパシペート処理の種類と特徴を解説!
ねじなどの金属製品を長く使い続けるためには、錆を防ぐことが重要です。そのために様々な表面処理技術が開発されていますが、中でも「パシペート処理」は、金属の耐食性を向上させるための有効な手段として広く利用されています。今回は、パシペート処理の種類や特徴、そしてその効果について詳しく解説していきます。
目次
パシペート処理とは?
パシペート処理とは、金属表面に化学的な処理を施し、不動態皮膜と呼ばれる薄い保護膜を形成することで、耐食性や塗装密着性を向上させる表面処理技術です。この不動態皮膜は、金属の表面を化学的に安定な状態にすることで、腐食の原因となる酸化反応の進行を抑制する役割を担います。
パシペート処理は、主にステンレス鋼、アルミニウム、マグネシウムなどの金属に適用されます。これらの金属は、本来、空気中の酸素と反応して酸化皮膜を形成することで、自己防食機能を有しています。
しかし、この自然に形成される酸化皮膜は、非常に薄く、均一性に欠けるため、十分な耐食性を発揮できない場合があります。そこで、人工的に緻密で安定な不動態皮膜を形成するパシペート処理が有効となるのです。
パシペート処理の種類と特徴
パシペート処理は、処理に使用する薬剤や処理方法によって様々な種類に分けられます。それぞれの処理方法によって、形成される不動態皮膜の特性や用途が異なってきます。
クロメート処理
クロム酸塩を用いた処理方法で、優れた耐食性を付与することができます。クロメート処理は、古くから利用されている実績のある技術で、特に鉄鋼や亜鉛めっき鋼材の防錆処理に広く用いられています。クロメート処理には、六価クロムを用いるものと三価クロムを用いるものの2種類がありますが、近年では環境負荷の低い三価クロムを用いた処理が主流となっています。
クロメート処理については下記記事でも詳しく解説しておりますので、是非参考にしてください!
リン酸塩処理
リン酸塩を用いた処理方法で、鉄鋼や亜鉛めっき鋼材に多く用いられます。リン酸塩処理によって形成される不動態皮膜は、緻密で均一な結晶構造を持つため、優れた塗装密着性を示します。そのため、リン酸塩処理は、塗装の下地処理として非常に効果的です。
シュウ酸塩処理
シュウ酸塩を用いた処理方法で、ステンレス鋼やアルミニウムの耐食性向上に用いられます。シュウ酸塩処理は、他の処理方法に比べて皮膜が薄く、透明であるという特徴があります。そのため、金属の外観を損なうことなく、耐食性を向上させることができます。
パシペート処理の工程
パシペート処理は、一般的に以下の工程を経て行われます。
①前処理
金属表面に付着した油脂や汚れ、酸化物などを除去するための工程です。脱脂や酸洗などの方法が用いられます。
②パシペート処理
前処理が完了した金属を、薬液に浸漬またはスプレー塗布することで、不動態皮膜を形成します。薬液の種類や濃度、処理時間などは、処理する金属の種類や目的によって調整されます。
③後処理
パシペート処理後、水洗や乾燥を行い、薬液を除去し、表面を仕上げます。必要に応じて、防錆油などの塗布を行うこともあります。
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