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バネ・スプリングの表面処理まとめ|バネ・スプリングならではのめっき・コーティングのコツ

バネ・スプリングは、伸縮することでエネルギーを蓄える性質上、常に応力にさらさらされるため、一般的な固定部品(ネジなど)以上に、表面処理の選定が製品の寿命や安全性、そして機能性に直結します。

本コラムでは、バネの製造工程や特性を考慮した表面処理の種類と、失敗しないための活用のコツをプロの視点で解説します

 

バネ・スプリングに使用する表面処理の種類と特徴

バネに使用される材料や使用環境、またバネが担う役割(導電や装飾など)に合わせて、最適な処理を使い分ける必要があります。

① 防食・保護を目的とした処理

バネを錆から守り、長期的な耐久性を確保するための基本となる処理です。

亜鉛めっき(+三価クロメート): 特に、鉄製バネに主に使用する処理で、亜鉛の犠牲防錆作用により、キズがついても錆の進行を抑えることが可能です。

塗装(カチオン電着塗装・粉体塗装): 塗装を行うことで、高い防食性を実現することが可能です。更に、識別用の色分け(カラーリング)目的でも活用されます。

無電解ニッケルめっき:電気を使わず、浴内で化学反応(還元)によって皮膜を成長させるため、複雑な形状や内部であっても、均一な膜厚を得ることが可能です。

 

② 導電性・装飾性を高める処理

バネがスイッチなどの接点部品を兼ねる場合や、外観部品として使用される場合に選ばれます。

金めっき・銀めっき:導電性に非常に優れ、精密機器の接点バネに必須です。金や銀らしい外観にすることが可能です。

銅めっき:幅広い用途に利用される赤みを帯びたメッキです。

ニッケルめっき 導電性に加え、耐食性と美しい光沢を付与します。

クロムめっき:非常に硬く、耐摩耗性と装飾性に優れています。

 

③ 前処理を目的とした処理

めっきの前段階や、加工時の不具合を解消するために行われます。

バレル研磨・電解研磨: 薄板バネのプレス加工時に生じた「バリ」を取り除き、表面にツヤを出して品質を安定させます。電解研磨は、表面に光沢を出すだけでなく、耐食性も向上させることができます。

 

④ 強度向上・特殊な機能処理

ショットピーニング・浸炭窒化:バネの「疲労強度」を向上させ、折れにくいバネを作るために施されます。

ジオメット処理:酸洗い工程がないため水素脆性のリスクが極めて低く、高強度バネに最適です。

 

⑤その他

塩化ビニール・ナイロンコーティング: 他の部品との接触による異音を防ぐ「緩衝」の役割も果たします。 

 

バネ・スプリングへのめっき方法:静止吊りとバレル

バネの形状やサイズによって、製品をどう保持するかが品質・コストの分かれ目となります。

バレルめっき: 回転槽で大量に処理するため低コストですが、バネ同士が絡まって「団子」になるリスクがあるため、投入量の調整が重要です。

静止吊り(ラックめっき): バネを個別に治具へ掛けるため、変形や絡まりを防げます。大型や繊細なバネ向きです。

その他:オリジナルの治具を使うことで、バレルや吊りめっきとは違う方法を活用して効率よくメッキする方法もあります。詳しくはご相談ください。

 

バネ・スプリングならではの表面処理のポイント

バネ特有の不具合を防ぐために、プロが必ず確認する3つの重要事項です。

① 水素脆性(遅れ破壊)の防止

高硬度の鋼バネを電気めっきすると、水素が内部に入り込み、突然破損するリスクが生じます。

めっき後直ちに「ベーキング処理(加熱)」を行い、内部の水素を確実に追い出す必要があります。

また、めっきではなくドライプロセスである「ジオメット処理」などを行うことで、水素脆化のリスクを回避することが可能です。

  

② 線間の液回り・洗浄不足対策

密着巻き(引張バネなど)は液が入りにくく、また抜けにくいため、内部から錆びる「シミ」の原因になります。

そのため、通常の状態をめっきを行うのではなく、引っ張った状態でめっきするなど、製品形状などに合わせてめっきを行う製品の状態を変化させることが重要です。詳しくはお問い合わせください。

また、そのような対処が難しいものについては、溶剤系の処理を行うことで、犠牲防食の成分が内部に張り込むため、高い防食性を実現しやすいです。

  

③ 疲労強度とショットピーニング

表面処理の前にショットピーニング(鋼球の投射)を行うことで、表面に圧縮残留応力を与え、寿命を飛躍的に伸ばせます。

 

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