亜鉛めっき(シアン化浴・ジンケート浴・塩化浴)の違い
本記事では、代表的な3つの亜鉛めっき浴(シアン化浴・ジンケート浴・塩化浴)の基本的な違いから、それぞれのメリット・デメリット、そして当社がなぜ「酸性浴(塩化浴)」にこだわるのか、その理由までを詳しく解説します。
目次
亜鉛めっきの「めっき浴」とは?
めっき浴とは、めっきを行う際に部品を浸漬する液体(めっき液)のことです。[1] この液槽に製品を浸し、電気を流すことで表面に亜鉛の被膜を形成します。
では、なぜ複数の種類があるのでしょうか。
それは、めっき浴の液性が「アルカリ性」か「酸性」かによって、得意なこと・苦手なことが大きく異なるためです。製品の形状や求められる品質、生産性に応じて、これらのめっき浴を適切に選択することが重要になります。

亜鉛めっき浴の特徴
それでは、それぞれのめっき浴の特徴を具体的に見ていきましょう。

① シアン浴(アルカリ性)
古くから使われている伝統的なめっき浴です。
■メリット
・つきまわり性(均一電着性)が非常に良く、複雑な形状の製品にも均一にめっき被膜を形成できます。
・浴管理が比較的容易で、安定した操業が可能です。
■デメリット
・毒性の強いシアン化合物を使用するため、環境負荷が大きく、排水処理に多大なコストと手間がかかります。
・めっき速度が遅く、生産効率が低い傾向にあります。
② ジンケート浴(アルカリ性)
シアン化浴の環境問題を解決するために開発されためっき浴です。
■メリット
・シアンを使用しないため、環境に優しい(シアンフリー)。
■デメリット
・不純物の影響を非常に受けやすく、浴の管理が極めて難しいです。
③ 塩化浴(酸性)
■メリット
・電流効率が非常に良く、めっき速度が速いため、生産性が高いです。
・美しい光沢のある外観を得意とします。
・浴管理が比較的容易で安定しています。
■デメリット
・均一電着性が悪く、複雑な形状の凹部など、電気が届きにくい部分にめっきが付きにくい現象(ファラデーケージ効果)が起きやすいです。
「酸性浴(塩化浴)」のメリット
当社が数あるめっき浴の中から、あえて「酸性浴(塩化浴)」を採用しているのには、下記のような理由があります。
高生産性と美しい仕上がり
めっき速度が速く、美しい光沢が出やすい酸性浴は、「短納期」「大量生産」「美しい外観」といったお客様のご要望に最も応えやすい方法です。当社はこのメリットを最大限に引き出します。
高い処理能力
酸性浴のめっき速度と、オープンバレル(蓋なし)の処理能力を掛け合わせることで、高い生産効率を実現し、お客様の短納期・大ロットのご要望にお応えします。
高機能な合金めっきへの技術展開
当社の酸性浴技術は、単なる亜鉛めっきに留まりません。
・ハイニッケル(亜鉛ニッケル合金めっき)⇒「酸性カリ浴」
・ジンロイ(亜鉛鉄合金めっき)⇒「酸性アンモン浴」
・上記を組み合わせた「カリアンモン折衷浴」
当社は、お客様の製品形状や求められる性能に応じて、浴組成を最適にコントロールできるため、上記のような高機能合金めっきも、すべて酸性浴をベースに実現しています。
「カリアンモン折衷浴」は、それぞれの浴の長所(カリ浴の効率の良さと、アンモン浴のつきまわりの良さ)を両立させる高度な浴管理技術です。
このオーダーメイドの対応力こそ、私たちが長年培ってきたノウハウであり、酸性浴を深く理解し、応用できる高い技術力を持つことの証です。
当社の酸性浴の様子を動画で解説!!
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